OBS Studioを使って、TikTok・YouTube・Twitch・Facebookの4媒体で同時にライブ配信したい方向けの、初心者用設定マニュアルです。
結論からいうと、無料のOBS Studioに「Multiple RTMP outputs」プラグインを追加すれば、パソコンから複数の配信サイトへ直接映像を送れます。この記事では、YouTubeをOBS本体、Twitch・Facebook・TikTokを追加配信先にして、順番に設定します。
1. 同時配信に必要なものと、配信できる条件
OBS自体は無料です。追加する「Multiple RTMP outputs」も無料で利用できます。ただし、4媒体すべてのライブ配信権限と、映像を4本同時に送れる上り回線が必要です。
・ パソコン(Windows・Macなど)と安定したインターネット回線(有線LAN推奨)
・ Webカメラまたは外付けカメラ、マイク
・ TikTok・YouTube・Twitch・Facebookのアカウント
・ OBS Studio、Multiple RTMP outputs プラグイン
・ 配信確認用のスマートフォン(実際の視聴画面を確認するため)
| 配信先 | 配信前にすること |
|---|---|
| YouTube | チャンネル確認とライブ配信の有効化。初回は最大24時間かかることがあります。 |
| Twitch | クリエイターダッシュボードから配信キーを取得。同時配信ガイドラインも確認します。 |
| アカウント作成から60日以上。ページ・プロモードではフォロワー100人以上などの条件があり、配信先の管理権限も必要です。 | |
| TikTok | LIVEの権限に加え、OBSへの外部配信に使うサーバーURL・ストリームキーを取得できることが必要です。 |
2. OBS Studioと同時配信プラグインをインストールする
OBS Studioのインストール
① OBS公式サイトから、自分のパソコンに合ったOBS Studioをダウンロードします。
② インストーラーを実行し、画面案内に沿ってインストールします。
③ OBSを起動したら、最初の自動構成ウィザードで「配信のために最適化」を選ぶと初期設定がしやすくなります。
Multiple RTMP outputsのインストール
OBSの「配信開始」だけでは、通常は1つの配信先に送ります。追加の配信先を作るためにプラグインを入れます。
① OBSで「ヘルプ」→「OBSについて」を開き、バージョンを確認します。
② プラグインの公式GitHubリリースページを開き、使用中のOBSに対応する版を選びます。
③ Windowsの場合は対応版の「windows-x64-Installer.exe」、Macの場合は対応する「macos-universal.pkg」などを選択します。OBSは終了してからインストールしてください。
④ OBSを起動し、メニューの「ドック」→「同時配信」を表示します(表示名は版によって異なる場合があります)。
3. 【図解】OBSで4媒体に同時配信する6ステップ
① OBS画面下部の「シーン」→「+」から、例として「同時配信」を作成します。
② 「ソース」→「+」→「映像キャプチャデバイス」からカメラを選びます。ゲーム画面なら「ゲームキャプチャ」、PC画面なら「画面キャプチャ」を選びます。
③ 「音声ミキサー」でマイクのメーターが動くか確認します。動かない場合は「設定」→「音声」で使用するマイクを選択します。
① YouTube Studioの「作成」→「ライブ配信を開始」→「エンコーダ配信」を開き、配信枠を作成します。
② OBSの「設定」→「配信」を開き、「サービス」でYouTubeを選びます。
③ Googleアカウント連携で接続するか、YouTubeのストリームキーをコピーしてOBSへ設定します。まだ配信開始は押しません。
プラグインの配信先設定に必要なのは、通常「配信先名」「サーバーURL」「ストリームキー」です。YouTubeはOBS本体に設定し、残る3媒体をプラグインに登録します。まず取得先を確認してから、各媒体の詳しい手順へ進みましょう。
4媒体のストリームキー取得先・早見表
| 媒体 | 取得場所・操作 |
|---|---|
| YouTube | YouTube Studio → 「作成」→「ライブ配信を開始」→「ストリーム」でキーをコピー。OBSの本体側に設定します。 |
| Twitch | クリエイターダッシュボード →「設定」→「配信」でプライマリストリームキーを確認。サーバーはTwitchの推奨取り込み先/公式案内を参照します。 |
| Facebook Live Producer で配信先を選択→「ストリーミングソフトウェア」を選び、表示されたサーバーURL・ストリームキーをコピー。 | |
| TikTok | 外部配信を認められた対象アカウントのLIVE設定で、PC・エンコーダーへの転送等の案内からサーバーURL・ストリームキーを取得。項目が出なければ、この方法では接続できません。 |
① YouTube:ストリームキーの取得方法
① PCで YouTube Studio にログインします。
② 右上の「作成」→「ライブ配信を開始」を選び、ライブ管理画面を開きます。
③ 「ストリーム」タブを選びます。初回は配信を有効化し、配信情報を作成します。
④ 「ストリームキー」→「コピー」を押します。必要なら表示されているストリームURLも確認します。
⑤ OBSの「設定」→「配信」でサービスをYouTubeにし、ストリームキーを入力します。OBSでYouTubeアカウント連携する場合は、キーを手入力しなくても接続できることがあります。
② Twitch:ストリームキーの取得方法
① PCで Twitchクリエイターダッシュボードにログインします。
② 左側の「設定」→「配信」を開きます。
③ 「プライマリストリームキー(Primary Stream Key)」を探し、「コピー」を押します。
④ OBSの「同時配信」ドック →「新規ターゲットを追加」に、名前をTwitchとして登録し、コピーしたキーを入力します。
⑤ サーバーURLには、Twitch公式が案内する配信取り込み先を指定します。プラグイン側にTwitchのプリセットがあればそれを利用し、カスタムRTMPの場合は公式の接続先を確認します。
③ Facebook:ストリームキーの取得方法
① PCで Facebook Live Producer にログインします。
② 配信するFacebookページ・プロフィールなどの配信先を選び、ライブ作成画面を開きます。
③ 映像ソースで「ストリーミングソフトウェア」を選択します(画面名は変更される場合があります)。
④ 配信設定欄にある「サーバーURL」と「ストリームキー」を、それぞれコピーします。
⑤ OBSの同時配信プラグインに、Facebook用の配信先を追加し、コピーした2項目を貼り付けます。
④ TikTok:LIVEストリームキーの取得方法
① まずTikTokアプリで「+」→「LIVE」を開き、LIVEを利用できるか確認します。スマホLIVEの権限と、外部OBS配信の権限は別です。
② PCのブラウザから TikTok LIVEセンター(LIVE Producer) にログインします。利用できるアカウントでは「Go LIVE/ライブ配信を開始」などの項目があります。
③ 外部配信・エンコーダー配信を選べる場合は、配信タイトル・カテゴリなどを設定します。画面の案内に従って配信準備を進めます。
④ 対応しているアカウントでは、「Server URL(サーバーURL)」と「Stream Key(ストリームキー)」が表示されます。両方コピーします。表示位置や画面名はアカウントによって異なります。
⑤ OBSの「同時配信」→「新規ターゲットを追加」を開き、配信先名をTikTokとして、サーバーURL・ストリームキーをそれぞれ入力します。
⑥ プラグインからTikTokへの送信を開始し、TikTok側でもプレビュー・公開状態を確認します。終了時はOBSだけでなくTikTok側のLIVE終了操作も確認します。
● YouTube:OBS本体の「設定」→「配信」に入力します。
● Twitch・Facebook・TikTok:OBS「ドック」→「同時配信」→「新規ターゲットを追加」に入力します。
※ ストリームキーは配信を操作できる機密情報です。スクリーンショット・ブログ・配信画面に表示しないでください。
※ 追加する前に、上記の媒体別手順でストリームキーとサーバーURLを取得してください。TikTokは配信ごとに再取得します。
① OBSの「ドック」→「同時配信」を開きます。
② 「新規ターゲットを追加」(版によっては「Edit targets」→追加)を押します。
③ 配信先名に「Twitch」を入れ、取得したサーバーURLとストリームキーを貼り付けます。
④ 映像・音声エンコーダは、まず「OBSと同じエンコーダを使用する」などの共有設定を選びます。
⑤ 同じ手順で「Facebook」「TikTok」を追加します。TikTokキーが取得できない場合は追加しません。
① OBSの「設定」→「映像」を開き、最初は1280×720(720p)/30fpsを目安にします。
② 「設定」→「出力」では、対応する配信先の仕様に合わせてH.264/CBR/キーフレーム間隔2秒を検討します。
③ 配信映像を送る本数ぶんだけ回線の上り帯域を使います。実測アップロード速度に十分な余裕があるか確認します。
④ 録画も残す場合は、「録画開始」を別に押すか自動録画設定を使います。配信前にマイク音量も確認してください。
① YouTubeは限定公開などのテスト用設定を確認し、OBS本体の「配信開始」を押します。
② 「同時配信」ドックで、追加した配信先を個別に開始するか、設定を確認して「すべて開始」を使います。同期開始を設定している場合は挙動に注意してください。
③ YouTube Studio/Facebook Live Producerで配信開始を確定する操作が必要か確認します。
④ スマホなど別端末でYouTube・Twitch・Facebook・TikTokの視聴画面をそれぞれ開き、映像・音声・向き・遅延を確認します。
⑤ 終了時は追加先の停止→OBS本体の配信停止を行い、YouTube・Facebookなど配信先側でもライブが終了していることを確認します。
4. TikTokは縦型、YouTube・Twitch・Facebookは横型にできる?
ここが重要です。Multiple RTMP outputsで「OBSと同じエンコーダ」を共有すると、基本的にOBSの同じ画面構成が各サービスへ送られます。横型の配信をそのままTikTokへ送ると、スマホでは余白が大きくなったり、見づらくなったりする可能性があります。
縦型・横型を分けたい場合の設定例
① Aitum VerticalのようなOBS用の縦型キャンバスプラグインを使い、TikTok用の画面を別に作ります。
② YouTubeをOBS本体、Twitch・FacebookをMultiple RTMP outputsで送り、TikTokを縦型キャンバスから送信する構成が考えられます。
③ この応用構成では、プラグイン同士の対応・起動停止手順・PC負荷を本番前に個別検証してください。Aitum Verticalを導入しただけで、Multiple RTMP outputsの映像が自動で縦型になるわけではありません。
5. 同時配信の画質とインターネット回線の目安
クラウドの同時配信サービスとは違い、OBSから各サイトへ直接送る方式では配信先の数にほぼ比例して上り通信量が増えます。最初は画質を控えめに設定し、安定してから上げてください。
| 項目 | 最初の設定例(目安) |
|---|---|
| 解像度・フレームレート | 1280×720/30fps |
| 動画エンコーダ | H.264(利用できるハードウェアエンコーダを優先) |
| レート制御 | CBR |
| 映像ビットレート | まず2,500kbps前後から。媒体の推奨値や映像の動きに応じて調整 |
| 音声 | AAC 128kbps程度(各媒体の仕様に従う) |
| キーフレーム間隔 | 2秒を目安に設定(配信先要件を優先) |
| 上り回線 | 4媒体・映像2,500kbps+音声128kbpsなら送信データは計約10.5Mbps。余裕を見て実測25Mbps以上を1つの目安にする |
これは固定の必須条件ではなく、初回テストの出発点です。TikTokの公式PC接続案内では映像ビットレート1.8Mbpsを推奨しており、各媒体で最適値は異なります。個別設定を使う場合は、TikTok側の推奨値を基準に調整しましょう。
6. うまくいかない場合の対処法
| 症状 | 確認する場所・対処 |
|---|---|
| 同時配信ドックが出ない | プラグインが使用中のOBSと対応しているかを確認。OBSを終了して対応版を再インストールし、ドックメニューを確認。 |
| TikTokのキーが見当たらない | そのアカウントではOBS用RTMP配信が利用できない可能性。TikTokの公式LIVE機能・サポートで権限を確認。第三者のキー発行ツールは安易に使わない。 |
| Facebookが始まらない | ページの配信権限・アカウント条件を確認。Live Producerでプレビュー後の「ライブ配信を開始」を押したか確認。 |
| YouTubeで映像が出ない | ストリームキーと接続先、YouTube Studioで配信枠が正しいか、プレビュー後の公開操作を確認。 |
| カクつく/切断される | 配信先を1つずつ止め、上り回線の余裕・OBS「表示」→「統計」・CPU/GPU負荷を確認。ビットレートを下げる。 |
| 音が出ない/二重に聞こえる | 音声ミキサーのマイク・デスクトップ音声、ミュート、モニタリング設定を確認。 |
| 画面の一部が切れる | 横型16:9を縦型9:16で表示していないか確認。縦型を作る場合はキャンバスを別に設定。 |
よくある質問
Q. OBSとプラグインだけで4媒体同時配信は無料?
OBS StudioとMultiple RTMP outputsの利用自体は無料です。ただし、各SNSのライブ利用条件、配信用PC、回線などの条件は別です。
Q. TikTok LIVE Studioの配信キーをOBSに入れればいい?
LIVE Studio自体はログイン連携で配信できる場合があり、すべてのアカウントにRTMPキーを表示する仕組みではありません。OBS用のキーが取得できるアカウントか確認してください。
Q. 4媒体のコメントをまとめてOBSに映してもいい?
Twitchでは他サービスのコメント等を統合してTwitchの配信映像に表示する行為について制限があります。配信者が個人的に裏側でコメントを確認することと、配信映像に統合表示することは区別してください。
Q. OBSを止めたら4媒体とも終了する?
OBS本体と追加出力が別々に稼働する構成があります。追加出力の停止状態と各SNS側のライブ終了を必ず確認してください。
7. 公式情報・参考リンク
管理画面の名称、プラグインの対応版、ライブ配信の利用条件は変更されることがあります。公開前や実際の設定時は、以下の公式情報も確認してください。
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